「安倍晋三銃撃事件」から一周忌 結局安倍とは何だったのか?【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第42回
2022年7月8日11時31分頃、奈良県奈良市の近畿日本鉄道大和西大寺駅北口付近にて、安倍が選挙演説中に銃撃され死亡。その後、1年が経過したが、わが国は「結局、
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この場を借りて、『安倍晋三の正体』の構成を示しておく。
第1章では極めて特異な人間が総理大臣になり、その政権下で一気にわが国が解体された理由について説明する。背後にはアメリカの世界戦略変更とわが国の知的基盤の崩壊がある。
第2章では外交問題を扱う。対米、対ロシア、対韓国、対中国、対北朝鮮……。安倍は外交ですべて失敗し、全方位売国路線を突き進んだ。ロシアには3000億円を貢がされた挙句、共同開発で主権問題を棚上げ。北方領土はロシアの法のもとにあるという話になってしまった。この国賊を「外交の安倍」と礼讃したのが、腐り果てた自称保守メディアと思考停止した大衆だった。
第3章では経済を扱った。安倍は著書『新しい国へ 美しい国へ 完全版』で《わたしたちは、国家を離れて無国籍には存在できないのだ》《基礎的な単位が必要であり、その単位が国家であるのは自明だろう》などと述べておきながら、いざウォール街に行けば「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と言い放った。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定締結に前のめりになり、保護貿易に反対。財界に媚びを売り、国民のライフラインである水道事業の民営化をもくろむなど、国家、公共に総攻撃を仕掛けた。
第4章では安倍の政治観を検証した。安倍は保守を自称しながら、保守の対極にあるような政策を一貫して打ち出した。ここでは、いかがわしい勢力、偽装保守が政権中枢に食い込んだ理由も説明する。
第5章では安倍が垂れ流した嘘・デマを検証した。にわかには信じがたいものが多いが、そこを確認すれば、総理大臣が嘘やデマを流したというより、職業的デマゴーグが総理大臣をやっていたという事実が明らかになる。
第6章では安倍のバカ発言の数々を振り返った。バカがバカを担いだ結果、日本はバカな国になってしまった。
第7章では安倍に関する一連の事件を取り上げた。安倍は追及から逃げ回り、結局何ひとつ解決しなかった。
第8章では安倍と反社会勢力・詐欺組織・カルト宗教の関係を扱った。
第9章では安倍の歴史観を検証した。その歴史観は極めて幼い。そもそも歴史を知らないので、議論は成立せず、妄想だけが暴走した。
第10章では安倍の憲法観を取り上げた。改憲によって安倍が何をやろうとしていたかを示す。
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ゲーテは「真理というものは、たえず反復して取り上げられねばならないのだ。誤謬が私たちのまわりで、たえず語られているからだ」と言った。過ちは繰り返される。おかしな人間が定期的にあらわれ、世の中をおかしな方向へ導いていく。だから、過ちに対する警告は、何度も繰り返さないとならない。われわれの社会の最大の敵は「忘却」である。
文:適菜収
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